山口県にはご紹介しきれないほどたくさんの紅葉スポットがありますが、今回はその中でも、小学校の頃バス遠足で一度行ったきりだった東行庵へ行ってきました。

東行庵といえば幕末の志士、高杉晋作ゆかりの地であることは知っていましたが、紅葉が美しいスポットであることを全然知らなかったわたし(元地元民なのに(;^_^A)。とっても素晴らしいスポットと耳にして、意気込んで行ってまいりました。

そして行ってみて実感、うわさ通りほんっとに紅葉が美しかったです!
すっかり東行庵に魅了され、御朱印やランチ、名物の晋作餅までしっかり満喫してきましたので、今回は東行庵の紅葉の様子、御朱印、境内の様子やアクセスなどをご紹介します。

東行庵とは?

下関市吉田にある東行庵は高杉晋作が眠る地です。
東行庵は明治17年(1884年)に創建された曹洞宗の寺院で、ご本尊は「白衣観音菩薩」。同じ下関市にある功山寺の末寺なんですよ。

晋作は1867年(慶応3年)に病没。亡骸は生前の遺言を受けて、奇兵隊の本拠地に近いこの地に葬られました。晋作(東行)に仕えていた愛人おうのは出家し、初代庵主としてその生涯を閉じるまで東行の菩提を弔いました。

ちなみに庵とは隠居した人や僧侶が生活する小さな草葺きの家。東行庵は東行記念館のとなりにあり、中には入ることができません。
庵内の仏壇には高杉晋作と共に山縣有朋の位牌が安置されています。

東行庵の紅葉

東行庵の境内にはおよそ250本のカエデが植えられています。

東行庵入口から真っすぐに進むと庭園があり、池のまわりや庵の近くにもたくさんの美しい紅葉がみられます。池のそばにかかる赤い橋と紅葉が秋の風情を醸し出していました。

庭園だけでも素晴らしい紅葉を楽しめますが、お目当ては紅葉谷(もみじだに)です。3代目庵主が山の一角にカエデを植えたものが群生化し、年を経て紅葉谷となったのだそう。
庭から東行庵入口付近へ戻り、山側に向かうきれいに整備されたゆるい坂道を登ります。入口は両脇にある灯篭が目印です。

坂道を行くと、そこにはなんとも美しい紅葉の世界が広がっていました。
顕彰碑の周りにはたくさんの楓。すっかり赤く染まっていました。
行ってみたのは11月9日。見ごろまでもう一歩ぐらいかな、いえ、ほぼ見ごろでした。
そしてさらに奥に向かって「楓の路」がまっすぐに整備されています。

紅葉谷の楓の木はどれも大きいので、お天気の良い日は木を下から見上げて青空と紅葉のコントラストの美しさを満喫できます。

ずっと奥に進むと登り坂になっています。坂を登ると、今度は色づいた楓の葉がまぢかに見られ、葉の隙間から谷の色づいた木々を見渡すことができます。これもまたとっても素敵です。

見上げる紅葉と、目の前の紅葉。違った見え方で紅葉を楽しめるので、すごくいいですよ。

もみじ谷入口付近には高杉晋作顕彰碑やお墓、銅像などのたくさんの史跡があります。
紅葉を楽しみ、さらに幕末の藩士をしのびつつ史跡をめぐることができます。

入口の坂道から紅葉谷のもっと奥まで、通路が舗装されており、ところどころに車椅子マークが目立つように配置されています。

高齢の方や障がいのある方、赤ちゃん連れの方でも紅葉や史跡を巡れるようになっています。訪れる方に対してすごく親切ですね。

紅葉ライトアップは

また紅葉の見ごろには、もみじ谷が夜間ライトアップされます。
およそ100本のモミジが、幻想的に照らし出されますよ。

【2023年紅葉ライトアップ】
実施期間:11月5日(日)~23日(木祝)
時間:日没~午後9時まで
会場:清水山もみじ谷
その他:協力金200円

 

東行庵は花寺、梅や花しょうぶも有名

東行庵は山陽花の寺24か寺のひとつで、紅葉だけでなく花しょうぶや梅、椿などが植えられており、四季折々の花を楽しめます。

中でも県道に沿って流れる小川のそばには、梅の木が200本も植えられている梅園があります。
高杉晋作は長男を梅之進と名づけ、愛人おうのには銘「梅處」の自作の茶杓を贈るほど梅の花を愛していました。2月中旬から3月中旬には、梅を愛でに多くの人が訪れます。

また境内にある池には花しょうぶが植えられてあり、しょうぶの名所としても知られています。わたしも東行庵といえば紅葉よりも、花しょうぶが有名だと思っていました。

東行記念館

庵のとなりには、下関市立東行記念館があります。
建物の2階が記念館になっており、こちらは入館料が必要です。

わたしが訪れたのは月曜日で、ちょうど定休日でした。残念・・・。
下関の挙兵の際に身に着けた鎧や鉄砲をはじめ、愛人おうのさんへ贈った遺品などが展示されているそうですよ。

入口を入ってすぐ右側が受付です。
受付付近には絵ハガキや幕末の志士のイラストが入った湯呑み、クリアファイルやキーホルダーなどが販売されていました。幕末ファンにはたまらないでしょうね。

東行記念館

入館料 大人300円、大学生等200円(団体割引あり)
営業時間 9:30~17:00、
休館日 月曜、休日の翌日、12/28~1/4

東行庵の御朱印と御朱印帳

東行庵はお寺ですので御朱印も頒布しています。
寺務所はありませんが、東行記念館の受付が御朱印の受付です。御朱印の受付時間も東行記念館の受付時間と同じになります。

御朱印はその場で書いていただくのではなく、紙での頒布のみです(初穂料300円)。

とてもかっこいい高杉晋作イラスト入りの御朱印帳も受付にて頒布されています(1500円)。

東行庵名物・晋作餅

東行庵に来たならば、晋作餅をぜひ!ご賞味ください。
晋作餅は通販での取り扱いはなく、ここ東行庵でしか手に入らないお餅なんですよ。

あんこを紫蘇を練りこんで焼いたお餅で包んだ晋作餅。
紫蘇でくるんだタイプと紫蘇でくるまないタイプの2種類があります。
なんでわざわざ紫蘇?と思ったら、高杉晋作が愛した梅をモチーフに没後120年を記念して下関菓子組合新製品部会が開発されたんだ名菓なんだそうです。晋作餅は今からおよそ30年前に誕生したんですね。

晋作餅を販売しているお店は2軒。
どちらも駐車場の脇にある売店で、ひとつは清風亭。もうひとつは本田菓秀庵です。

清風亭さんはちょうど店頭でお餅を焼いていらっしゃったので、香ばしい匂いがあたりに漂って・・・はあ~いい香り^^紅葉を見に来た方々も焼きたての晋作餅を求めて足を止めていきます。
本田菓秀庵さんは店頭では焼いていませんが、こちらも多くの人が買い求めていましたよ。

お値段は紫蘇ありも紫蘇なしも、1つ110円(税込み)。
どちらも美味しいですが、紫蘇ありの方が甘さとしょっぱさの両方をしっかり楽しめてわたしは好きです(笑)作り立てのあったかくて香ばしいのが最高ですが、冷めても味がしっかりしておいしいですよ。

ちなみに賞味期限はわずか2日!なるほど、通販では取り扱えませんね。
この晋作餅をお買い求めに、ぜひ東行庵にいらっしゃいませ!

東行庵周辺にランチスポットはある?

清風亭

晋作餅を販売している清風亭さんは店内でうどん、そばをいただくことができます。

わたしはこちらで晋作うどんをいただきました(510円)。具だくさんで鮮やかなおうどんに梅干しと、小皿に甘く煮た里芋がついてきてとてもおいしく頂けました(写真撮ったのに、見事に消去してしまってました・・・)。
青梅ソフトクリームもあるようですよ。夏は食べてみたいですね。

店内はテーブル席が4つぐらい。店頭販売の活気が伝わってきて楽しくいただけました。

陣屋

清風亭のお隣にはとんかつ屋の「陣屋」がありましたが、残念なことに臨時休業でした。

陣屋

東行庵駐車場敷地内
営業時間 11:00~15:00、17:00〜20:00
料理はテイクアウト可
陣屋HPはこちら

YH SPACE(ワイエイチスペース)

東行庵から歩いて7分、車で2分程度の場所にアジアンリゾート空間「YH SPACE(ワイエイチスペース)」があります。

地元の食材と水を使用した多国籍料理で、和のテイストもしっかり入っている馴染みやすい料理だそうですよ。
こちら気になりますね。東行庵の散策の後、いかがでしょう。わたしも寄ってみたいです!

YH SPACE

下関市吉田1223-29
営業時間 ランチ 11:30~14:30(L.O.14:00)、17:30~21:00(L.O.21:00)
定休日 火曜日
駐車場 無料7台
YH SPACEのHPはこちら

東行庵へのアクセス、駐車場

アクセス

東行庵は国道2号線から菊川方面に入った山間の場所にあります。
車の場合、最寄りの中国自動車道小月インターチェンジからは5分(およそ6㌔)。山陽道埴生インターチェンジからは吉田方面に7㌔と、高速道路からはアクセスのよい場所です。
東行庵の目印として、近くには平成20年にオープンした温泉、晋作の湯や吉田小学校があります。

公共交通機関の場合、バスかタクシーの利用になります。
JR山陽本線小月駅前からサンデンバス秋芳洞行に乗車し、「東行庵入口」にて下車(乗車時間14分)、徒歩8分(600m)ほどで東行庵の入口につきます。

東行庵入口目の前にもバス停「東行庵前」がありますが、こちらは停車するバスの便がとても少ないそうです。バスの場合は東行庵入口バス停をご利用ください。

駐車場

紅葉の時期でもあり、平日のお昼前でしたが第1駐車場はほぼ満車に近い状態でした。
駐車場は第1から第3まであり、第1と第2は県道260号線を挟んで東行庵の向かい側になります。第1駐車場は45台程度駐車可能です。

第1駐車場の奥からゆるい坂道があり、その先に舗装されていない第2駐車場があります。こちらもすごく広いので、満車の際も安心です。
トイレは第1駐車場内にあります(和式でした)。
境内の中やもみじ谷付近にはトイレはありません。東行記念館を利用される方は館内のトイレを利用できるとのことです。

駐車場から東行庵へは、横断歩道はありますが道路を横切るようになるので気をつけて渡ってくださいね。

また第3駐車場は県道260号線の東行庵側にあります。
こちらは場内に古川薫文学碑や司馬遼太郎歌碑があり、観音菩薩像へのお参りする階段もここから出ています。椿や梅園を見るならば第3駐車場は便利だと思います。
ただ、舗装されていないので、雨の日や雨の後は足元が汚れるかもしれません。こちらにはトイレはありません。

東行庵 施設情報

所在地:〒750-1101 下関市下関吉田1184
問い合わせ先:083-284-0211
通年無休、見学自由(東行記念館は月曜定休、9:30~17:00)
公式サイト:史跡・高杉晋作墓所花の寺 東行庵

まとめ

今回は秋の紅葉が美しい東行庵についてご紹介しました。
境内はとてもきれいに整備されていて、紅葉はもちろんですが、他の季節にも花を愛でに訪れたいと思えました。
すぐ近くに温泉「晋作の湯」もありますので、寒い時期にはこちらで温まっていくのもいいですねー^^

東行庵は自然がいっぱい、静かでとても落ち着くスポットです。東行庵来られた際には境内をゆっくりと、そして御朱印、歴史、ランチ、名物までしっかり味わわれてくださいませ。